外国人に学んだ挨拶の大切さ

2011.06.13

私が挨拶にこだわるのは、自動車教習所を設立する前、東京で働いていたときの経験からです。そのころの私は、自宅が益田市にあり、東京ではホテルに泊まるというかたちをとっていました。昭和三十年代の当時、ホテルに泊まる客は、大半が外国人です。彼らは廊下ですれ違ったり、エレベーターで会ったりすると、相手が外国人であろうと、目本人であろうと、必ず「グッドモーニング」などと挨拶をします。一方、日本人は、誰と出会おうと、まず自分から挨拶をすることがありません。たいていブスッとした顔で、黙ったままです。外国人から挨拶をされても、「グッドモーニング」と返したりしません。むしろ戸惑ったり、顔がこわばったりしてしまいます。せいぜい軽く会釈をするくらいで、笑顔で挨拶を返すことができません。そんな光景をたくさん見てきました。見ていて気持ちがいいのは、もちろん外国人のほうです。「これからは日本人もこうでなければいけない」彼らを見て、よくそう思ったものです。そこで、自動車教習所をつくるにあたって、挨拶がしぜんに交わされる自動車教習所を目指したのです。二週間とはいえ、毎日挨拶していれば、少しは挨拶に慣れてきます。笑顔で挨拶ができる人間は、どんな場所でも歓迎されます。そういう人を増やすことで、日本の社会を少しでも変えたいという思いもありました。第一段階としてまず実行したのが、アメリカから青年を連れてくることでした。当時つきあいのあったケンタッキー州の人から青年を紹介してもらい、「私の自動車教習所へきて、挨拶をしてほしい」と頼んだのです。もっとも、「挨拶が仕事」というのは、なかなか理解されませんでした。なかでも困ったのが、ビザの発給です。当時の日本は、外国人の入国を厳しく制限しており、仕事以外でくる人をほとんど受け入れていませんでした。「挨拶」は仕事ではないから、ビザを出せないというのです。それでも何とか許可をもらい、自動車教習所(自動車学校)にきてもらうことができました。さっそく挨拶という仕事を始めてもらったところ、効果はてきめんでした。アメリカの青年から笑顔で「グッドモーニング」と挨拶されると、最初は照れていたゲストや社員も、笑顔で挨拶を返すようになりました。やがて自分からも挨拶しはじめ、挨拶が一つの文化として定着するようになっていったのです。
[参考サイト]
東京都の自動車学校コヤマドライビングスクール
http://www.koyama.co.jp/