相場で決まる世界の金属価格

2011.09.23

資本主義社会におけるモノの値段は政府管理商品を除いて、すべて需要と供給の関係で決定される。この傾向は工業原価でとくにはっきりしており、ほとんどの場合、相場で価格が決定される。金属も例外ではない。ではその相場はどこで、だれによって、どのように形成されるのか。まず価格形成される場所だが、金属の場合はほとんどがロンドンとニューヨークで決定される。ロンドンはLME[ロンドン金属取引所]、ニューヨークはCOMEX(ニューヨーク商品取引所=CommodityExchange)で取り引きされている。この二大相場で世界の金属価格は決定される。金属は株や為替と同じく投機の対象となり、先物で激しい売買がくり返される。たとえば銅の場合、じっさいの産出量の三倍ほどがLMEで取り引きされる。なぜこんなことが起こるのかというと、この種の商品は先物で取り引きされるからだ。ここでその一例を示すことにしよう。A社は一年後に使用する銅を一万トン購入する予約をする。ところが半年後に価格が高騰したため、このうちの五〇〇〇トンを売って現金を手にした。それから半年後に価格が下がったので、以前売った五〇〇〇トンを買い戻した。このような取り引きが一般的に行われているのだ。こうした取り引きでは現物が目の前にあるわけではなく、すべて伝票だけで処理される。COMEXの取り引きもこれと同じで、LME同様現物の三倍ほどの取り引きがあるという。したがってLMEとCOMEXを合わせると現物の六倍もの取り引きがあることになる。つまり鉱石が掘り出される前から目的地に到着するまで、極端にいえば鉱石運搬船が洋上を漂っている間も伝票が右から左に流れ、売買がくり返されているわけである。売買に参加するのは金属メーカーばかりではない。そもそも金属メーカーだけの売買なら現物の六倍もの取り引きが成立するはずがない。