和服の女性に肩こりはない

2011.05.18

一〇代、二〇代の女優からも、「肩こりがひどくて……」と相談を受けることがあります。ところが、常日ごろから着物ばかり着ている七〇代、八〇代のご婦人にお話を聞くと、「目が弱ってきたから、針仕事をしたときだけは肩がこるわね」なんて答えが返ってきたりします。実際、このような老婦人の肩を触ってみると弾力性があり、肩甲骨の可動域が広いことに驚きます。肩こりは、ある意味、現代病といってもいいかもしれません。着物では、帯を締めるとき肩甲骨や肩関節を大きく使います。また、帯を締めることで背中への意識が高まり、腰が安定するので上半身の自由度が増すのです。加えて、家事をするときにたすきを締めるので肩甲骨を自然に意識できます。すなわち、現代の女性に比べると、肩甲骨を自在に動かせるので肩こりが少ないのです。先人たちを見習って、肩甲骨を動かして、肩こりを撃退しましょう。まず、右手を左側の背中に回し、肩甲骨を見つけます。肩甲骨の縁を触って位置を確かめ、左手のひじを肩関節と水平にして前後に動かしてみます。すると、左側の肩甲骨が前後に滑り、かつ、浮かんだり沈んだりすることが右手に受ける感触でわかります。最初は少ししか動かないかもしれませんが、だんだんと大きく動くようになります。それにともない、肩や首の付け根のこりも軽減するはずです。