日本の保育に埋め込まれた文化的特徴

2011.07.09

日本とイギリスの小学校低学年用の国語の教科書に収録された作品のうち、家族に関する記述を取り上げ、内容分析法により家族間の情報伝達形態を検討した。その結果、(1)親子関係においては、日本では親から子どもへという一方向的な伝達が多いのに対して、イギリスでは相互発信的な伝達が多いこと、(2)祖父母子孫関係では、両国に顕著な違いがみられないこと、がわかったという。そして、日本人の8歳女児20人およびドイツ人の8歳女児30人と個別面接を行い、自己概念の構造を「独立的自己」「相互依存的自己」という視点から比較検討した。その結果、(1)自己記述・他者記述のいずれにおいても、日本人女児はドイツ人女児よりも関係志向的な発言が多いこと、(2)ドイツ人女児は日本人女児よりも、他者との同一化に、より否定的な態度を示すこと、などが見出されたという。松永と川端の知見は、外国人の子どものいる保育集団で、子どもが他の子どもの内的特性や自他の差異をどのように捉えているかを検討するうえで示唆的である。また、日本の子どもは、親からの情報を受動的に受け取ることに馴れているらしいことや他者との関係のなかで自己を形成していく傾向があることが示唆される。これらは、日本の保育に埋め込まれた文化的特徴を考えるうえで、参考になると思われる。

[参考]
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http://www.seitoku.jp/kttcsu/