「「カラオケでよく歌われたシングル一覧」といえるくらい、ヒットとカラオケの相関関係は高まった」(同年鑑九二年版)この九一年という時期は、カラオケボックスは普及したが、まだ通信カラオケが登場する以前であることに注意してほしい。わざわざ「ヤング・カラオケ」と記されているのは、まだ若者がカラオケを歌うことが目新しかったからだ。通信カラオケの普及後は、このカラオケと売上げの関係がさらに顕著になっていく。九五年版『オリコン年鑑』はカラオケとCD売上げの関係を詳しく分析している。
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サンプルは九四年にヒットした藤谷美和子と大内義昭のデュエット曲「愛が生まれた日」である。テレビドラマ「そのうち結婚する君へ」(日本テレビ系。出演・藤谷美和子、仲村トオル)の主題歌として九四年一月から番組中でオンエアされた、いわゆる「ドラマ・タイアップ曲」である。そのせいか、放映中の同年二月にシングルとして発売されると、「オリコン」チャートに初登場で九位という好調な出だしだった。ドラマは同年三月に放映を終了。通常の主題歌なら、ここからチャート順位が下かっていくのが普通だが、この曲の場合は五〜六月になってもベストテンに食い込み続けた。一方、この曲の通信カラオケでのチャートは番組終了後の五月九日付で十七位に登場、六月六日付で一位になった(ギガ・ネットワーク調べ)。つまり、本来なら売上げが落ち始めるドラマ放映終了後にカラオケで歌われ始め、それがセールスを支えたと考えられる。ちなみに同年に『オリコン』が十五歳から二十五歳を対象にしたアンケート調査によると、六百人中二百一人が「カラオケで聞いてCDを買ったことがある」と答えている。カラオケは、テレビと並んで、CDを買う前に消費者に音楽を届けるファースト・ハンド・メディアになったのだ。