行動スタイルが大事だ

2011.04.26

伝統的にいうと、古代ギリシャ以来の哲学の歴史と言葉を学ぶということは、強い正統者意識、ヨーロッパが蓄積してきた知識の最良部分を受け継いでいるという自負心を与えてきたことは確かです。国を代表する日本の政治家や外交官で、哲学や歴史学を専攻した人は稀でしょう。専攻しないまでも、学生時代から熱心に学んだ人だって少ない。この点で、ヨーロッパの国々の政治家や外交官と、少し異なるかもしれません。しかし、知識という点でいえば、それほど遜色ないのではないでしょうか。日本だって、岡崎久彦(一九三〇年生まれ。『国家と情報』文蓼春秋、『戦略的思考とは何か』中公新書等がある)のような文武の英知に満ちた人がいます。ただ、例えば、イギリスやフランスの外交官と日本の外交官を比べてみると、イギリスは「大英帝国」(ユニオンジャック)を、フランスは「ナポレオン帝国」(三色旗)を背負っているのに対し、日本は外務省の一部局しか背負っていないという違いが、意識の上ではっきりありますね。岡崎にしてそうではないでしょうか。いろんな局面で、「役に立つ」ということの意味が変わることがおわかりでしょう。私がここで強調したいのは、二兎を追う者は三兎をえるということです。なるべく、いろんなものに挑戦してみるということは、大学でも、大学を出てからでも、重要ですが、そういう思考のスタイル、行動のスタイルは、大学に入って、おのずと身につくようになるのです。これがまさに大学の最大の効用といってもいいでしょう。
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